みんなが生産者!長与町の特産品直売所
地域の特産品や、その日獲れた新鮮な農作物などが手に入る場所・直売所。ドライブの途中で寄り道をすれば、お手頃価格な旬の野菜・果物たちに目移りして、ついつい買い込んでしまいますよね。
今回ご紹介するのは、長与町の海沿いに構える特産品直売所〈まんてん〉です。会長の浅井春千代さんに、知られざる直売所の歴史や運営について伺いました。
始まりは、青空市場から。約40年の歴史を振り返る
2002年より営業開始され、19年目となった〈まんてん〉。ですが、事の始まりは約40年前まで遡ります。
ー「最初は“青空市場”をやってたんですよ。場所は、外の駐車場になっているところです。第2・4日曜日に、朝からみんなで持ち寄って販売していました。漁業組合や農協、商工会などの7団体が集まっていましたね。」
ある時、長与町民からの意見で、「直売所を作って欲しい」という要望が役場に挙げられました。そこで役場は、青空市場を開く浅井さんたちに相談を持ちかけました。「新しく直売所を建てるにあたり、その施設運営を任せられないか」と。
ちょうど浅井さんたちも、開催している青空市場に課題を感じているところでした。月に2回の開催だけでは、自分たちの野菜を売る機会はとても僅かなもの。他に販売できる場所も当時はほとんどありませんでした。一方で、作物はどんどん育ち、収穫したものが溜まっていきます。
そうして、青空市場を開催していた団体が担い手となり、特産品直売所〈まんてん〉が誕生したのです。
長与町民なら誰でも商品を販売できる、みんなの直売所
驚くべきは、会員になるためのハードルの低さ。長与町民に開かれた公共性のある直売所となっています。
ー「長与の人なら、会費を払えば誰でも会員になれます。年会費ではなく、最初の入会の時だけでいいんですよ(笑)農家でなくとも、趣味の範囲で作ったちょっとしたものであっても、お店の棚に置けるんです。それが皆さんの生きがいに繋がっていると思います。」
店内に陳列されているのは、農家さんが販売する野菜や果物、漁師さんが獲ってきた魚、手作りの帽子や雑貨類といった手芸品など、幅広い商品が並んでいます。現在、会員の数は179名。季節の生産物を持ってくる人もいれば、毎日コンスタントに入荷する人もいます。
ー「ただ野菜を売るだけじゃなくて、この場所がコミュニケーションの場になっていますね。生産者と私たち、生産者と買いに来た人たち。長与の皆さんの憩いの場になっています。本当に疲れ知らずでパワフルな生産者さんが多くて、私たちが元気をもらっています!」
自分の手で作ったものを、誰かがお金を出して買ってくれる。そんな喜びを気軽に味わえる場所が、〈まんてん〉です。何十年も昔から続いている市場が、形を変えた今でも、長与町の生産者のために開かれています。
店名:まんてん
住所:長崎県西彼杵郡長与町岡郷614-12
TEL:095-887-1345
営業時間:7:15-15:00
定休日:お盆・年末年始(8/15〜8/16、12/31、1/1〜1/4)
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〈まんてん〉は「2021 ART Walkig in NAGAYO」の協力事業所です。