今回ご紹介するのは、7月から新たに特養のユニットリーダーになった、池田いずみさんです。爽やかでスポーティな池田さんは、介護福祉の道を歩むまでに紆余曲折がありました。今までどんな仕事をしてきたの?どうして福祉の世界に入ったのか?などなど、根掘り葉掘り聴いてみました!
そして、多趣味でアクティブなイメージのある池田さんのちょっと意外な(?)休日の過ごし方にも注目です。
ガテン系女子、福祉と出会う。
池田さんの生まれは大阪です。小学校まで大阪で過ごし、中学校から長崎にやってきました。それから、諫早の高校に進学するも、事情があって1年生のうちに学校を辞めることになったそうです。
池田「当時は周りに中卒で働く人もいなかったので、急に仕事をするって言っても何すれば良いのかよく分からなかったですね。なので、最初はラーメン屋のアルバイトとかをしていました」
同級生たちよりも、一足早く社会に出ることになった池田さん。16歳になって原付の免許を取ってからは、ピザ屋の配達も始めました。今にも続くバイク好きは、この時から芽生えていたそうです。
しかし、18歳になってから、池田さんは家を出ることにしました。
池田「母親ととにかく仲が悪くて……(笑)。でも、16〜17歳ってまだ子供だからどうしようもないじゃないですか。だから『18歳になったら、すぐにでも家を出てやる!』って思ってましたね。その時は派遣の仕事が多くて、待遇も良かったので、愛知県の寮付きの職場に派遣として行くことになったんです」
長崎からいきなり愛知に飛び出した池田さん。そこで工場勤務を1年間ほど続けたそうです。
ー親元を離れての一人暮らしはどうでしたか?
池田「いや、それがですねぇ…、親のありがたみを痛感しましたね(笑)。よく聞く言葉だけど、離れてみると、本当にそうだなって思いました」
しかも、「車が買いたい!」という目標があった池田さんは、働いたお金で遊ぶことはほとんどなく、かなり切り詰めた節約生活を送っていたとのこと。親元を離れて、羽を伸ばしてはっちゃけた……というわけでは無かったようです。
1年間働いてお金も溜まり、母親への抵抗感も無くなっていたため、池田さんは愛知を出て長崎に戻ってきました。
それから、大型免許を取って産業廃棄物の仕事を始めたり、建設現場の雑用や、建造物の防水施工に携わったりと、現場系の仕事を経験していきました。しかし、建設系の仕事はハードだったため、池田さんは体力的に仕事を継続することへの限界を感じ始めます。
ー今までずっと現場系の仕事が中心でしたが、この後どういうきっかけで福祉の世界に入るのでしょうか?
池田「この時まで、介護の仕事に就く予定はまったく無くて…。うちは両親が離婚していたので母親1人しかいなかったんですけど、自分が25歳くらいの時に母親が亡くなったんですよね。すると、おじいちゃんおばあちゃんも、頼れる家族が私しかいなくて。だから、おじいちゃんおばあちゃんが私に介護の仕事に就いていてほしいって昔から言っていたんです(笑)」
この話をされていた時はまったく介護の仕事をする気はなく、本気にしていませんでした。ところが、建設系の職種からの転職を考えたときに、祖父母からの話を思い出した池田さん。「やってみるか…!」という気持ちになり、募集が出ていたながよ光彩会を選んだのでした。
ものを扱う仕事から、ひとと向き合う仕事へ。
池田さんは、資格取得や研修を並行しながら初めての介護の仕事に取り組んでいきました。
ー介護施設はいろいろある中でも、ながよ光彩会に応募したのは何か理由があったんですか?
池田「求人情報を見て、他の施設は『入浴や食事の介助』といった業務内容の記載にとどまる中、ここは『ケアプランの作成』なども含まれていたんですよね。待遇面だけで言えば他にも良いところはあったんですけど、より深い仕事までさせてもらえるんだなって印象だったのでここを選びました」
「ケアプラン」とは、利用者さんの状況や家族環境などを基に、利用者さんへのケアの内容や課題、その対応策をまとめた計画のことを言います。
介護福祉の仕事を始めて、丸5年。その意欲的な姿勢が功を奏してか、ベテランの職員が多い中でも、池田さんはユニットリーダーを務める人材になりました。
ー前職とは雰囲気はやっぱり違いますか?
池田「そうですね。今までは仕事の対象が“もの”であることがほとんどでした。でも今では“ひと”に変わっています。利用者さんもご家族も、人間なので日々変化しますし、単調ではなくて刺激的ですね。転職してよかったなぁと思います」
利用者さんとも打ち解けた、“介護職員”としての池田さんの姿がありました。
動物好きで、お掃除が得意。マメな性格を発揮
最後に、池田さんのいろんな一面も探ってみたいと思います。
ーでは、逆に前職の経験が活きてるな〜と感じる瞬間はありますか?
池田「体力には自信があるので、ちょっとやそっとじゃへこたれないですね(笑)。建設系の仕事だと、忙しい時は朝から夜まであったり、休みが取れない時期が続いたりすることもありました。でも、ここはシフト制で必ず休みも週2日取れて、残業することもないので、前と比べたらめちゃくちゃラクですね。クーラーも付いてますし(笑)」
体力的にきついイメージが付くこともある介護福祉の仕事ですが、池田さんのキャリアからすればとても恵まれた環境に感じるようです…!
では、自分の時間が取りやすくなった休日には何をして過ごしているのか…。気になります…!
池田「ずーっと猫と遊んでますね(笑)。昔から動物が大好きで、いろんなペットを飼ってきました。ある時、かがやきに子猫が迷い込んできて…。その子の引き取り手がいなくて、どうしても私に飼ってほしいと同僚から頼まれ、仕方なくペットOKの家に引っ越したんですよ(笑)」
なんと、住んでいた家がペットNGだったため、子猫を飼うために引っ越しまでしてしまったそうです!愛猫と家でくつろぐ様子は、なんとも幸せそうな顔をしていますね。
池田「もしくは、1日中家の掃除をするのも好きですね。けっこう綺麗好きな方なんです、こう見えて(笑)。職場でも、キッチンとか水浸しになってるとめっちゃ気になってしまって、ペーパーとかで拭いてます」
動物好きな池田さんは、ユニットに置いてある魚が泳ぐ水槽にも、見たいと言ってくれる利用者さんを連れて行くことがあるそうです。そのテーブルが少し低いため、車椅子の利用者さんがもっと見やすいように、高さをどうにかできないかと考えているところなのだそう。
池田「DIYも好きなので、ちょっとテーブルとか作ろうかな…」
池田さんの多彩な趣味は、話が尽きることがなさそうです…。しかし、池田さんらしい観点で職場を見ていることが伝わってくるお話でした。
皆が気付きにくい部分にも、細やかに気を配ることができる池田さん。紆余曲折のある人生を歩んできましたが、「介護の仕事は、たぶんずっと続けると思います」と、素直な言葉で語ってくれました。