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〈ART Walking in NAGAYO〉 みんなのまなびば み館

みんなのまなびば み館
取材にご協力いただいた、み館スタッフのみなさん
長与の暮らしに寄り添う、”まちのリビング”

2020年7月、グループホームながよの1階を改装してこのまちに生まれたのが〈みんなのまなびば み館〉です。町役場や小学校など、長与で暮らす人々が行き交う嬉里郷。このまちに溶け込む施設の使い方や、これまでに〈み館〉で生まれた交流についてお伺いしました。

地域と福祉を繋げるような役割を

— 「まちの中心部にある場所を持て余していたんです。ここで、地域と福祉を繋げるような役割を担えないかということで動き始めたのがきっかけですね。」

立ち上げ当初から関わる「ひととまちとくらしの学校」校長の畑村さんは、設立のきっかけをこのように振り返りました。

元々あったデイサービスの名前が「みかんの里」だったこと、みんなの場所として使ってほしいこと、子どもたちにも覚えやすいこと……いろんな想いを込めて、〈み館〉と命名されたコミュニティスペース。

日中は「きょうしつ」と呼ばれるワークショップが開催されたり、夕方になると学校帰りの子どもたちが宿題をしたりなど、幅広い世代の人たちが利用されています。

みんなのまなびば み館
左から館長を務める中山さん、校長を務める畑村さん
「みんなの場所」だからこそ、互いが理解し合える環境に

公民館のように、どんな方でも利用できるという〈み館〉。施設を初めて利用する方には、世代を問わず使い方教室を必ず受けてもらっています。世代や国籍といった”ちがい”を認め合えるような環境を、利用者さんと一緒に築くことを大切にされているそうです。

”きょうしつ”がつくりだす、あたたかい空間

— 「正直、生みのくるしさを感じた人もいると思います。それでも、自分だからこそ伝えられるメッセージを大切にしてほしいんです。」

正直な想いを打ち明けたのは、きょうしつ開催の窓口を担当する館長の中山さん

これまで催された”きょうしつ”の数は、なんと100回以上。届けたい人へ向けた設計を怠らないからこそ、参加された方のさまざまな表情が垣間見えるそうです。

定期開催されている「せいかいのない、おはぎきょうしつ」や、高校生の男の子がせんせいになる「魚のからだのヒミツを探ろう!親子解剖きょうしつ」など、興味をそそる内容がいっぱい…!

時には〈み館〉を飛び出して、「桜島大根を栽培するきょうしつ」なども開催されているようなので、要チェックですね。

みんなのまなびば み館
ながよ光彩会の副理事長を務める貞松さん
み館は、小さな気づきを持って帰れる場所

ご年配の方が子どもに淹れてもらうお茶に癒されたり、きょうしつに来たお母さんが子どもたちに赤ちゃんを任せてしまったり。〈み館〉の中で、これまで出逢わなかった人たちがそれぞれの共通点やちがいを見つけているそうです。

〈み館〉を運営する社会福祉法人ながよ光彩会の副理事長を務める貞松さん。貞松さんが、インタビューの終盤に話されていた言葉がとても印象的でした。

— 「いかにも福祉ではなく、日常に溶け込む福祉がある」

何かを学ぶきょうしつに限らず、その場に居合わせた人たちとの関わりでの学びがある。”まちのリビング”であり、”みんなのまなびば”でもある〈み館〉で、あなただけの気づきが見つかるかもしれません。

施設名:みんなのまなびば み館
住所:長崎県西彼杵郡長与町嬉里郷592-1
TEL:095-865-7755
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜日

〈みんなのまなびば み館〉は「2021 ART Walkig in NAGAYO」の協力事業所です。

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